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近藤譲の書籍「ヨーギニー寺院 ~インド・シンボリズムへの旅」の紹介サイトです。
本書は、インドの宗教について現地に取材した、紀行文的色彩も持つ研究書であり、著者が1992年から行った研究をまとめ、朝日カルチャーセンターから2004年に自費出版したものです。“ヨーギニー寺院”の日本語での研究書としては、その嚆矢と言えるでしょう。
“ヨーギニー”とは、言葉の構成上からは、「ヨーガ修行者の女性」を意味します。しかし、女性のヨーガ行者一般を中立的に指す単語ではありません。
この単語に結び付くイメージは、ヨーガの成就としての人間離れした超能力・魔力を持った女であり、犠牲の血を好む恐ろしい母神たちの眷属であり、一般に不浄とされる行をなしつつ仲間を集め育てながら、力の獲得や利益を求める男性修行者と夜の性的な秘儀で交わる、不気味な者たちです。無関係の宗派の人々からは、邪悪な存在として異端視され迫害されがちな存在なのです。
その“ヨーギニー”の信仰と儀礼の場が、“ヨーギニー寺院”であり、そこには獣頭や多面多臂など異形のヨーギニー女神像が立ち並ぶ内陣があります。
いわゆるヨーガのアーサナや呼吸法の話はひと言も出てきませんが、複雑な意味を持つ“ヨーギニー”とその寺院に迫る真面目な研究書です。
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